映画
新宿梅田の空気にやられて死にたい季節を詩に書いている
さっき見過ごした曲がり角に立ってた女が私なの
雨に紛れて汚い男が 私の横から話しかける
もしもこれが映画だったら傘を振り降ろすシーンだろ
私を砕いて粉々にしたら あなたを映画と認めましょう
夏は嫌いだ 汗が流れて生まれたことを思い出すから
生きていることを考えるから まるで私は蝉の抜け殻
さっき刺した男の背中 あれはまさしく私の夏だったのよ
もしもこれが映画だったらもう二度と秋はこないね
私を塞いで明日を閉ざしたら あなたを映画と認めましょう
午後から晴れる 天気の亀裂 静寂に生返事をしてる
突然変異のメンタルに付いて行けない私は孤独が似合う
自分らしさに釘さして下品なくらい内臓剥き出しね
だけどもしもこれが映画だったら
私を砕いて粉々にしたら あなたを映画と認めましょう
砕けた私を拾い集めたら 巻き戻せない過去
そして待つ未来の カメラを止めて