彼の魔法の国

手でつまんで燃やして遊んでいた

終わらないと思っていたんだっけ

デジタルの記憶の坩堝

放り込まれた

画面のなか

 

荷台を引くライオンにぶつかった

 

ぼくらは溺れていく

夢のように

ぼくらは溺れてしまう

夢が醒めたら

 

さむい日だった

さむい日だ

 

もう誰もいない国で

あなたのいない国で

 

ぼくらは溺れていく

夢のように

ぼくらは溺れていく

赤い目をして

ぼくらは溺れてしまう

夢が醒めたら

ぼくらは忘れてしまう

いつのまにか

 

ぼくらは忘れていく

お互いのことさえも

 

ねえここはとても寒い

乗客は殺してしまおう

いつかここがどこかさえ

ぼくは忘れてしまうから

 

さむい日だった