笑う

どうしたっていつかわからない写真と

後頭部から落ちるイメージ

 

空がスクリーンになった

輪郭のない

実態のない世界

 

スピーカー 宙に

止まる粒子が包んでいた

 

影が伸びていく

 

視界が壊れて夢になったんだ

こわいものはみたくない

水が飲みたいんだ

光があふれて夜になったんだ

女の人たちも笑っていたな

 

あ 、 笑 う

あ 、 笑 っ て た

 

マシンガンの庭

立っていられない

扉の外から外を見ている

大きな音が八回鳴った

倒れるきみをぼくはみていた

ぼくを置いていかないで

 

なにがみえる?

 

ぼくらがいつか震えていた夢は

壊れた記憶の中みたい

もうなにもない

 

いつかは音が風になったんだ

ドールハウスにいるみたいだった

道路標識も笑っていたな

瞼を閉じると

そこに悪魔がいたんだ

 

全部なくして浜辺に来たんだ

 

まっしろで

きれいで

なにもなかった

 

ぼくは光を集めてみたんだ

 

いつか忘れたって

気付かないように

 

最後の部屋できみが笑っていた

 


ぼくらはいつか

笑ってた